「てにをは」を注意された、「てにをは」を注意する。
会社ではそんな場面は日常茶飯事ではないでしょうか?
では改めて「てにをは」とは何でしょうか?
うまく説明できない方が多いのではないでしょうか
感覚的に分かっていても、いざ説明する、部下に指導するという場合
どのように話しますか
そんな「てにをは」に関してご説明します。
「てにをは」とは
「てにをは」とは、言葉をつなぐ「助詞」を総称する代名詞として使われる言葉です。
言葉をつなぐ「てにをは」が正確に使用されていないと、
「てにをは」が合っていない分かりづらい文章、
「てにをは」がなっていない
等と言われることが多いと思います。
「てにをは」(助詞)の種類
「てにをは」は「助詞」を指すといわれていますが、助詞とか具体的に何でしょうか?
助詞は、それ自体には言葉の意味を持たず、名詞や動詞を接続して意味を持たせる語です。
例えば「を」や「が」など、ある名詞に接続して言葉の意味を補足したり、主語にしたり、
して、それ自体の言葉の意味はなく、さらに変化しないものです。
また「助詞」は「格助詞」、「接続助詞」、「副助詞」、「終助詞」に別れます。
格動詞
格助詞は主に体言(名詞)の後ろに接続され、文中の他の言葉との関係を示す働きをします。
種類は「が・を・に・へ・と・より・から・で・や・の」となります。
例としては以下
足が痛い、ご飯を食べる、筋肉痛になる
九州へ行く、靴下とシャツを買う
思ったより暑い、本人から聞いた、後で食べる
親や友達にも言えない、世界の人々
並べてみると、意外に多いですね。
格助詞には、主語になるもの、連体修飾語になるものなどの分類もありますが、国語教師の領域になってしまうので、ビジネス上で問題ないかどうかの観点でそこまでの解説は割愛させて頂きます。
これらの格助詞では、「てにをは」が合っていないと言われるのでしょうか。
下の例をみてみましょう。
『犬●ごはん●食べる』
●に助詞を入れてみましょう。
『犬がごはんを食べる』
おかしくはないですね。
これを、「が」と「を」をいれかえてみます。
『犬をごはんが食べる』
おかしいですよね。
ごはんが、犬を食べることはないですよね。
また、
『犬のごはんを食べる』
これだけでは、おかしいかどうかは分からないです。
なぜ分からないか。
それは、主語がないからです。
『隣のおじさんが犬のごはんを食べる』
「てにをは」の使い方はおかくしくはありません。
しかし人間である隣のおじさんが犬のごはんを食べることはおかしいですね。
これは「てにをは」の使い方ではなく、選択がおかしいのです
『隣のおじさんの犬がごはんを食べる』
これでしたら、飼っているという言葉がないですが、隣のおじさんの飼っている犬がごはんを食べるんだなと理解できるレベルです。
これが「てにをは」が合っていない、おかしいということになります。
接続助詞
接続助詞は活用語と呼ばれる、動詞などの用言や助動詞(〜ます)の後ろについて、前後の文節を接続します。
種類は「ので、から、し、たり、て、ながら、ば、と、ても、が/けれど/けれども、のに、ものの、ところで」となります。
足が痛いので走れない、肉も食べたし魚も食べた
映画を見たり音楽を聞いたりした、悲しくて辛い
接続助詞は字のごとく、文節を接続するものですが、以下の3種類であることを意識してください。
順接、逆説、並列
順接は、接続した前の言葉通りの当然の結果が続きます(暑いので汗をかいた、寒いので服を着た)
逆説は、接続した前の言葉通りとは逆の結果が続きます(足が痛くても走った、雪が降っても出かけた)
並列は、接続した前の言葉と後の言葉は同等となります(コーヒも飲んだしケーキも食べた)
接続助詞に関しては、比較的分かりやすい、間違いが少ない「てにをは」です。
副助詞
副助詞とは、いろいろな語に付けて、さまざまな意味を添える働きをします。
種類は「は、も、こそ、さえ、でも、ばかり、など、か」となります。
副助詞は以下の6種類であることを意識してください。
同類、強調、並立、類推、限定、添加
同類は「足が早い」を「足も早い」として、足以外の他のものも早いということを表します。
強調は「駅に到着するのに1時間かかった」を「駅に到着するのに1時間もかかった」として強調の意味を付加しています。
並立は「兄も弟も」として、兄も弟も同じだという意味を付加しています。
類推は「子供に分かること」を「子供にさえ分かること」として、大人では当然分かるということを表しています。
限定は「好きなものを食べる」を「好きなものだけを食べる」として、あてはまるものに限定していることを表しています。
添加は「明日の予定している仕事を行った」を「明日の予定している仕事まで行った」として、明日の予定分の仕事を行ったことを添加している。
副助詞に関しては、種類も多く、前後の言葉によって使う「てにをは」によって、意味が違って来るところに注意です。
終助詞
終助詞とは文末について、さまざまな意味を添え、表す働きをします。
種類は「か、な、ね、よ、ぞ、とも、なあ、や、わ、ねえ」となります。
終助詞は以下の8種類であることを意識してください。
疑問・質問、反語、禁止、感動、念押し、呼びかけ、強調、断定
疑問・質問は「明日は出勤です」を「明日は出勤ですか」と質問を表します。
反語は「こんなことで良いのだろうか」と反対の意味を表します。
禁止は「確認を忘れる」を「確認を忘れるな」と禁止の意味を表します。
感動は「いい景色だな」と感動の意味を表します。
念押しは「明日の会議に出席してくれるね」と念押しの意味を表します。
呼びかけは「風よ止まってくれ」と呼びかけを表します。
強調は「頑張って仕事を終わらせるぞ」と強調を表します。
断定は「またやり直せばいいさ」と断定を表します。
最後に言葉を加えるだけで、意味を変えることもある終助詞。
口語で使われること場面が多いですが、抑えておきたい「てにをは」です。
間違えやすい助動詞
「てにをは」は助詞ですが、間違えやすい言葉に助動詞があります。
助動詞とは、言葉に付けて、述語のまとまりをつくる言葉です。必ず他の語のあとに付く付属語で、さらに文中での用法によって形が変化する、つまり活用があることが特徴です。
種類は代表的なものは「れる、られる、せる、させる、ない、そうだ、らしい、です」などです。助詞と同じ付属語のため、その言葉自体では意味なさず、用言・体言のあとにくっつくことで役割を果たします。
助動詞に関しては助詞との違いを理解した上で覚えておくことをお勧めします。
さあ、いかがでしたか?
知っている方は、再認識を
知らなかった方は、覚えてください
そして、明日からの仕事に役立てて頂ければ幸いです。