管理職の役割とスキル

売価 原価 粗利 今さらですが分かっていますか?

営業職についている方は、常に接している数字。

目標やノルマと称して、いつも追っている、追われている数字。

それば、売価、原価、粗利ではないでしょうか。

この3つの数字は非常に重要で、営業マンにとってはなくてはならないものです。

非常に単純な仕組みですが、重要かつ間違いがあっては損失をまねくところです

今回は感違いしやすいところをクローズアップしてご紹介します

粗利とは

営業部門にいない方でも、耳にしたことはあると思います。

「粗利」という言葉。

粗利とは何でしょうか?

会計上は「売上総利益」といい、売上から売上原価を引いたものを言います。

今回、お話させて頂くのは、損益計算書にでてくるような、売上総利益ではなく、単純に見積書をつくる場合の、売価、原価、粗利率の関係です

粗利とは、簡単に言うと

1000円で仕入れた物を、1200円で販売したとします。

ここで200円の利益が得られます。これが粗利です。

原価: 900円

売価:1000円

粗利: 100円

 

粗利率とは

粗利の率、粗利益が売価の何%かを示します。

例として、上記の品物の粗利率を算出してみます。

原価: 900円

売価:1000円

粗利: 100円

粗利率=粗利 ÷ 売価

粗利率=100円 ÷ 1000円=0.1

この場合は粗利率は10%ということになります。

 

粗利率をもとに原価から売価を決める

営業をされている方で、多くを行うシーンがこれではないでしょうか。

会社として、粗利率を~%とるように

そんな指針で行っているところが大半ではないでしょうか

もちろん熟知されている方が多くを占めるでしょうが、なかにはこのような計算をした方がいらっしゃいます。

「原価が900円です。当社の方針としては粗利を10%確保しての売価を決めてください」

 

これに関して

「原価が900円で、10%のせればいいから、1.1かければいいんだな」

このように考える方がたまに見受けれます。

 

では実際、これで算出してみましょう。

原価900円×1.1=990円

「売価は990円に設定すれば、10%の粗利を確保できます。」

900円の一割が90円だから、一瞬正しそうに感じます。

しかし、間違った計算方法です。

では決められた売価と原価から粗利率を算出してみましょう。

手順は前述のやり方と同じです。

 

原価: 900円

売価: 990円

粗利:  90円

粗利率=粗利 ÷ 売価

粗利率=90円 ÷ 990円

算出値=0.090909・・・

です。

この場合は粗利率は約9.1%ということになります。

 

おや!

10%だと思って算出した売価では、粗利は9.1%ですね。

これでは、会社の目標としている粗利率に到達していませんね。

 

なぜこの売価の決め方ではダメでしょうか

10%の粗利だから、原価を1.1倍すれば10%の粗利をとれる原価だろう

一見して正しそうですが、違います。

では原価、粗利率から売価をもとめるにはどうしたらよいのでしょうか。

まず粗利率を求める式を書いてみましょう。

(売価ー原価)÷ 売価 = 粗利率

分かっている数字をあてはめましょう

(売価ー900円)÷売価 = 10%

(売価ー900円)÷売価 = 0.1

(売価/売価)-(900円/売価)=0.1

1   -(900円/売価)=0.1

(900円/売価)= 1-0.1

(900円/売価)= 0.9

※売価 = 900円/0.9

売価 = 1000円

おや、売価は1000円ですね

そして、1.1という数値はどこにも出てきませんね

 

※売価 = 原価/0.9

売価 × 0.9= 原価

 

ここでいう、0.9の数字は、粗利率10%の残り90%。

いったい、なんなんでしょうか

これは、原価率ともいいます。

では※印部分を言葉で表してみましょう

 

※売価 = 原価/原価率

売価 × 原価率 = 原価

もしくは

※売価 = 原価/(1-粗利率)

売価 ×(1-粗利率) = 原価

 

売価、原価、粗利率の関係式はこれだけです

10%だから1.1という数字は絶対に出てきません。

感覚だけではダメなんです。

原価に対して1.~倍するのは、原価、粗利率から売価を求めるという計算式の原理、原則からは誤りのある計算方法です。

これは一つの例ですが、実際のビジネスシーンでは、なぜこうなっているんだろうか、なぜこうしなくてはいけないんだろうか、なぜだめなんだろうとつまずく場面があるかと思います。

何か疑問を感じたら、なぜこのように成り立ったのか、原理や原則等に沿って確かめてみることが重要ではないでしょうか。

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