サラリーマンと一口にいっても、属している会社によって境遇はもちろん違います
大企業、中小企業、零細企業、大企業の親会社、大企業の子会社とさまざまな会社があります。
当ブログ管理人である私自身は、3社の会社を経験しており、それらは全て大企業の子会社でした。
そこで、見た、聞いた、体験した子会社の実態をあますことなくご紹介します。
子会社とは
会社法における子会社の定義
会社法における子会社の定義は、会社法2条の3.で定義しています。
内容は以下となります。
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ここでもうひとつ出てきているのが法務省令ですが、以下のように定義されております。
いろいろ記載してあり、はっきり言ってよく分かりません。
要約すると以下です
議決権の過半数を有している場合、また過半数を有してなくとも、実質的に支配力が及んでいる会社を子会社とすることとなっています。
会社法にも記載されていますが、「支配」という言葉が子会社の実状を物語っているように感じます。
(子会社の定義は、証券取引法にもあります。子会社だけでなく、子会社に準ずる関連会社が定義され、子会社と関連会社を併せて「関係会社」といいます)
子会社はなぜある?
前向きな理由
子会社をつくるまっとうな理由としては以下があります
- 肥大化した組織を子会社化することによって経営スピードが上げること
- 業務機能で分けた小さな組織の子会社で責任を明確化する
- 子会社化することによって、経営のリスクを軽減させ
- 交際費の経費算入限度額が増える
後ろ向きな理由
また、あまりおおっぴらにはしたくない理由としては以下があります
- 子会社化することによって、親会社が危機の時、事業売却しやすい
- 給与水準の低い子会社を作ることによって、親会社の利益を向上させる
- 親会社からの出向先、天下り先をつくる
子会社のつらい身分
私が経験した三社だけの情報となりますが、嘘偽りなく全て事実に基づくものです。
日本全国の全ての子会社にあてはまるわけではないとは思いますが、これから新卒で会社を選ぼうとする方、転職で会社を選ぼうとする方。
少しでも参考になれば幸いです。
親会社からの出向
部長以上の役員は全て親会社からの出向者でした。
期間限定での出向、業務訓練や経験を積ませるための理由の場合もありましたが、大抵は親会社でポスト、仕事が無いための片道切符の出向者です。
しかしながら、その給与体系は本社と同等レベルで給料は高く、プライドも高く、親会社から出向に出され、戻る道なしでくさってしまうの悪循環の状態が散見されていました。
いきなり新卒で子会社に配属されることもありましたが、大方は数年すると親会社に戻っていくパターンでした。
親会社からの出向で、もう戻れない方は、それなりに癖のある方が多く、業種が全く違うのに親会社のやり方を押しつけ、その一方親会社には媚びへつらうような時が多々ありました。
役職者は親会社からの出向で占められ、もともとのプロパー社員は同じ役職になっても、出向者には意見が言えない、立場的には下となる暗黙のルールのようなものもありました。
また社長は出向というよりも、親会社の役員兼務で社長をしており、腰掛けのようにいて、好き勝手なことを言っているだけで、実質何もしていないような時もありました。
そうは言っても、その出向組とうまくやっていくようにすれば、通常の仕事はそれほど意識せずにできました。
親会社からの要求
子会社は会社法で定義されている通り、「支配」です。
子会社は親会社の名前がついていることが多く、もちろん親会社の信用で事業が成り立っている面もあります。
支配されても致し方ない面もありますが、価格の引き下げや、事業計画等の過度な提出資料の要求など、当たり前ですが子会社の都合や意見など聞いてはもらえません。
前述した出向の受入もそうです。
親会社にとっては人件費の削減でも、子会社にとっては人件費の増です。
子会社からみて親会社の要求は絶対でした。
子会社の待遇
待遇の面では親会社との格差が如実にあらわれます
給与は親会社の約7割、8割は当たり前。
所定内労働時間も長い
ボーナスは半分にも満たない。
親会社から出向社員と同じ仕事をしているのに、出向者は親会社の待遇となり、差がある。
福利厚生の面でも劣り、年間の休暇日数も少ない
報われないことが多いのが事実です
新卒や転職で子会社を検討している方へ
子会社に関しては悪い面だけ、書いてしまいましたが、全ての会社に当てはまるわけではないことはご理解ください。
子会社でも数千人規模の会社もありますし、給与も規模や業績によって大きく変動します。
子会社だから悪いというわけではありません
子会社でも、給与体系などや、年齢による年収がご自身で良いと判断されれば、それは子会社の選択肢もありではないかと思います。
別業界の親会社よりも、良いケースもあります。
ただ、子会社の宿命として、親会社の支配下にあるということだけは忘れずにいて頂きたいと思います。