連載にて、資料作成のこつをご紹介していきます。
ビジネス文書自体の概念は第2回まででご紹介しました。
第3回となる今回は、ビジネス文書を作成するポイントをご紹介致します。
すべての文書に共通するポイント
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宛先、発信者、年月日、冒頭文の記入
記述内容自体が記録として保管するので、正確に明記する必要があります。
またあわせてタイトル、あいさつ、当文書の主旨を記載する
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事実の記載をすること・個人的な意見は書かない
ビジネス文書は、会社としての判断、見解です。事実をありのままに記載すること、個人的な憶測や感想を書かないことです。
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簡潔で分かりやすい文章表現
ビジネス文書は、小説や雑誌記事とは違います。ビジネス文書の基本は相手に用件を伝えて、理解してもらい、時には行動してもらうことです。正確で、明快な、誰にでも理解してもうら文章を作成する必要があります。
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分類と階層化による構成
だらだらと話言葉で、延々と書き連なった文章は相手には伝わりません。5W2Hは文章でも使えます。また内容を分類して、さらに階層化(下位にいくにつれ詳細化する)を行い、読み手にとって、理解しやすい構成にします。
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レイアウトと図解
ビジネスの現場では、グラフやチャートで表現できるもの。情景を図解して説明するとわかりやすいものがあります。一目で状態が分かるレイアウトや図解をすることも必要です。
共通する文書作成のポイントとなります。
どれも、これも、分かっているつもりではありますが、いざ実戦で使うとなると、なかなか進まないことも多いのではないでしょうか。
しかしながら、まずは以上のことは最低限おさえておきましょう。
基本がしっかりしていないと、その応用はもちろんできません。
しっかりと意識すべき事柄です
社内文書のポイント
日々、あまり意識することなく作成しているかもしれませんが、社内文書はどのような業種、職種、部署にいても必ずある文書ではないでしょうか。
社内文書は正式に規程で定められて稟議書や、申請、届け出から、業務上の自部署内への連絡、報告、相談、依頼、判断、決裁をもとめるものから、自社内の他部署、他部門へ提出するものまで様々です。
まずは、前述のすべての文書に共通するポイントに沿ってご説明します。
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宛先、発信者、年月日、冒頭文の記入
宛先、発信者、年月日は社内文書といえども必要です。また時候のあいさつなどの、儀礼的な文、社交的な文は不要です。しいて記載するとすれば、文書の概要を説明する冒頭文だけとします。また宛先、発信者は部署名、職制名で記載します。
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事実の記載をすること・個人的な意見は書かない
社内文書は用件を正しく、ありのままに、迅速に伝えることが重要です。個人の憶測や想像、仮定の話などは記載しないようにします。
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簡潔で分かりやすい文章表現
社内文書は効率を重視します。過度な敬語の使用は避け、あくまでも常識的な範囲で簡素な表現とします。それでも、上司にあてた文書や、他部門に対する依頼もありますので、もちろん命令口調など受け取った相手が不快感を感じることがないように配慮することは必要です。また、結論を先に書き、それに対して説明を肉付けするような文章が望ましいです。
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分類と階層化による構成
こちらも記載する内容によりますが、5W2Hで記載するのか、情景、物事を論理的に分類、階層化して記載するかになります。また、社内文書では、同じ内容で繰り返し作成されるものが多々あります。出張報告者や打合せ報告などの各種報告書や、出張精算、有給休暇届などは各会社で定型フォーマットがあるかと思います。定型フォーマットに沿って記載すれば、時間も短く作成することができます。また定型フォーマットが現在無いのであれば、繰返し作成する文書は是非作成した方が、内容の品質が均一化して、管理しやすいのではないでしょうか。
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レイアウトと図解
こちらも記載する内容によりますが、定型フォーマット以外では、図解して一目で全体が分かりやすく表現する、論理的に分類、配置されたレイアウトを採用することによって、迅速に正確に伝えることができるようになります。
社外文書のポイント
社内文書もそうですが、社外文書はさらに細心の注意をはらって作成するべき文書となります
文書を作成する目的がそもそも、保管して証拠として残す目的もありますので、敬語の誤り、内容の誤りは、先方さんにも大変失礼にあたりますし、さらに信用問題にもなりかねません。
そんな社外文書も、同じくすべての文書に共通するポイントに沿ってご説明します。
また今回はコンシューマ向けではなく、対法人向けといたします。
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宛先、発信者、年月日、冒頭文の記入
こちらは、会社名、部署名、場合によってはご担当者様の氏名を宛先にきっちりと記載する必要があります。また、社内文書とは違い、時候のあいさつなどの、儀礼的な文を入れることとが必要で、先方に敬意を表します。
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事実の記載をすること・個人的な意見は書かない
もちろん社外文書といえども事実を記載することには変わりありませんが、ここで注意しなければいけない点があります。まず1つは、事実をあまりにもストーレートに記載すぎると先方の印象が悪くなるケースがあります。そのため、ひとつひとつの表現に最新の注意を払い、慎重に言葉を選ぶ必要があります。そしてもう1つは、社外文書には業務内容、取引内容に関する記載をする場合がありますが、その内容が会社方針、部門方針と相違ないことを事前に決裁をうけていることが必要となります。
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簡潔で分かりやすい文章表現
こちらも、簡潔で分かりやすいことは重要ですが、ひとつひとつの言葉づかいが先方が不快と感じないかの表現が非常に重要です。社外文書は、簡潔で分かりやすいかつ失礼にあたらないというバランスが大事です。
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分類と階層化による構成
社内、社外、関係なく文書を分かりやすくするためには必要な要素です
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レイアウトと図解
同じく、社内、社外、関係なく文書を分かりやすくするためには必要な要素です
こうして、みてみますとビジネス文書は、社内、社外問わず、共通した概念で作成すればできることが分かります。
決して難しいものではないかと思います。
どちらに共通して言えるのは、最終的には受け取った側の立場にたってみて、どう思うかが重要ではないでしょうか。
そのような気持ちで、作成するのが文書上達への近道です。