管理職の役割とスキル

環境分析のフレームワークとは?今さら聞けない基本と3つの手法

中期経営計画のための経営戦略を立案しなさい。

管理職のあなたは、そんな指示を受ける場面があるでしょう。

そんな時、何をしたらいいのか、どこから手をつければいいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

優れた経営戦略は企業が事業で成功するための必須事項です。

有効かつ効果的な経営戦略を策定するためには、自社を取り巻く環境を把握することが重要です。

当記事では、この環境分析をMECE(注)の切り口で行えるフレームワークを紹介します。

(注)MECEとは英語のMutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字を取り、「モレなくダブりなく」という意味

環境分析とは

環境分析とは、自社を取り巻く経営環境を分析し経営戦略を立案するための、マーケティングでは必要不可欠な取り組みです。

正しい状況の把握、必要な情報を取捨選択し、綿密な分析をすることによって、戦略課題を抽出することが可能となります。

環境分析は、「外部環境分析」と「内部環境分析」の2つに大別されます。

外部環境とは、企業がコントロールできない、企業活動に影響を与える環境です。

内部環境とは、企業がコントロールできる、自社の環境です。

取り巻く環境は企業の業績は大きく影響を受けます。企業は外部環境を把握した上で、コントロールできる自社の内部環境をコントロールできない外部環境に適応させることで、いかなる環境下でも、業績の目標達成を可能にします。

そのため外部環境、内部環境を客観的かつ事実に基づき、性格に把握することが重要となります。

ここでは、環境分析の以下のフレームワークについて分かりやすく解説します。

  • PEST分析
  • 3C分析
  • SWOT分析

これらのフレームワークは、経営戦略における第1のアプローチ環境分析は以下の位置づけであり、必要不可欠な取り組みです

3つのフレームワーク

PEST分析

概要

PEST分析とは、外部環境を政治、経済、社会、技術の4つの要因に分類し、現在もしくは将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するための分析手法です。

自社を取り巻く外部環境には以下の2種類があり、PEST分析は自社で制御することが難しいマクロ環境の分析に適しています。

■ミクロ環境
自社を取り巻く市場や競合他社のことであり、市場の将来性や顧客の行動、競合の動向などがあげられる。

■マクロ環境
政治、経済、社会、技術のことであり、人口統計・技術革新・流行変化などがあげられる。

PEST分析によって、大きなトレンドを読み、商品・サービスの設計立案し、マーケティング戦略を考え、自社に影響を与える脅威を抽出し、この先起こりうる社会の変化などを予測し、自社にとっての「機会」と「脅威」を洗い出し、事業戦略策定やマーケティング戦略を計画します。

主に経営戦略自体の見直しを図る場面や、新規プロジェクトの立ち上げ時の事業戦略(経営戦略、海外戦略、マーケティング戦略などを含む)を策定する際使用し、技術革新や法改正など自社を取り巻く環境要因を把握し、脅威を予測できる点で有効です。

すなわち、PEST分析を実施する主な目的は以下と言えます

  • 成果を上げられるマーケットを発見し、参入分野や参入方法等のマーケティング戦略や施策の方向性を明確化する
  • 自社への影響、見込める成長性等の市場の将来性や変化を予測し、将来発生すると予測されるリスクにも備える

分析方法

PSET分析は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの外部環境を取り出し、分析対象とします

P = Politics 要因 政治的要因

各国の政治制度、政権交代等の国内・海外の政治勢力図の変化、法律・法改正、税制の変化・改正、規制緩和、治安維持・国防の取り組み、国民の政治関心(投票状況、デモ等)、補助金の交付

E = Economy 要因 経済的要因
国内・世界の経済活動状況、産業の台頭と衰退、個人の消費・消費者心理、物価、消費動向、為替・株価・金利動向、景気、賃金動向、原油価格

S = Society 要因 社会的要因

国内・海外の人口動態、世論トレンド、流行(SNSを含む)、各国・各地域の文化的特性(言語・宗教等)、流行、生活習慣・ライフスタイル、少子高齢化

T = Technology 要因 技術的要因

インフラ、国内・海外の普及デバイス、IT技術、新技術の発展と浸透(IoT、ビッグデータ解析等)、知的財産の保有状況(特許等)、イノベーション

の4つの要因を以下の手順で進めていきましょう。

1.自社を取り巻く環境要因の対象を選定する
2.対象の情報収集を行い、P・E・S・Tの環境要因に分類する
3.分類した環境要因を事実と想定に分ける
4.事実を脅威と機会に分類する
5.分析結果から施作を導き出す

 

1.自社を取り巻く環境要因の対象を選定する

PEST分析を行う前に、まずは環境要因の対象を選定します。

例えばシステムインテグレーションを行う会社で分析するのであれば、以下の3つが環境要因の対象として考えられます。

  • IT業界
  • 自社の外部環境
  • 製品・サービス導入先の業種や機関

環境要因をどこに設定するかにより分析結果が変わるため、マーケティング戦略などにあわせて適切な対象を設定することが重要です。

例えば、自社の製品・サービス導入先が同業他社だけであれば、環境要因はIT業界だけとなります。

自社の製品・サービスの導入先が多岐にわたるのであれば、製品・サービス導入先の業種や機関も環境要因とし
て捉える必要があります。

環境要因対象は正しく設定し分析しないと、戦略施策の目的や方向性が明確になりませんので、注意してください。

2.対象の情報収集を行い、P・E・S・Tの環境要因に分類する

1.で選定した環境要因に関する情報を収集し「P政治・E経済・S社会・T技術」の4つに分類していきます。

官公庁、業界情報や新聞、マーケティング会社の調査レポート等の環境要因についての情報を収集します。

「システムインテグレーション業界全体を対象にする」と選定した場合には、取り巻く外部環境について情報収集し、集めた情報を4つに分類していきます。

システムインテグレーションだけでは、範囲が広すぎる場合は、自社の事業である製品・サービスを特定して、4つに分類していきます。

3.分類した環境要因は事実と想定に分ける

2.で抽出した環境要因を「事実」と「想定」に分類します。

以下の理解して、事実と想定に分けていきましょう。

■事実

実際に起きている事柄や状況、データから明確にわかること。

■想定

実際に起きている事柄や状況をもとに起こり得ることを仮に設定すること。
事実と想定はどちらに当てはまるのか判別するのが難しいですが、現状起きていることを思い浮かべると判断しやすくなります。

例えば「サーバの売上が減少している」、「クラウドの利用率が上昇している」というデータがある場合は、以下のように分けられます。

◆事実と想定の例
■事実

  • サーバの売上が減少している
  • クラウドの利用率が上昇している

■想定

  • クラウドの利用率が上昇しているので、サーバの売上が減少している

「サーバの売上の減少」「クラウドの利用率の上昇」は数値から判断でき、実際に起きている事柄のため事実として扱います。

一方「クラウドの利用率が上昇しているので、サーバの売上が減少している」は、起きている状況から判断していて、因果関係が定かではないため想定として扱う必要があります。

4.事実を脅威と機会に分類する

3.の工程で「事実」に該当した情報やデータをさらに「脅威」と「機会」に分類します。

自社にとって有利に働く情報は「機会」に、不利に働くことが予測できる情報は「脅威」として分類しましょう。

脅威に見える情報は、自社からみたら、多面的な視点でみたら機会になりうることもあります。
また180度視点を変えることで、大きなチャンスにつながるアイデアが見つかる可能性もあります。

5.分析結果から施策を導き出す

振り分けした機会と脅威をもとに、具体的な施策へ落とし込みます。

以下の視点で考えながら、施策へと落とし込みます。

緊急性が高いか、低いか、長期で考えるべきか、短期で考えるべきか。

施策に落とし込む優先度が高いのは、「緊急性が高く短期で考えるべきこと」です。

自社の状況や資源を考慮して、優先して対応すべき施策を検討することが大切です。

マクロ環境を分析し活用することにより、効果的なマーケティング施策の立案につながるでしょう。

3C分析

概要

3C分析とは、外部環境の市場と競合の分析からKSF(Key Success Factorの略。主要成功要因。事業を成功させるための必要条件)を抽出し、自社の事業を成功に導くための戦略に活かす分析をするフレームワークです。

3Cとは、「市場・顧客(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとり、外部環境として「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」、内部環境として「自社(Company)」を分析対象とします。

3C分析を行うと、事業の進行方向が見えてきます。

マーケティングの本質は、いくつも存在する施策の中から最も効率的なやり方に資源を集中投下します。

顧客に選ばれ続け、売上を達成できる仕組みを作り上げることが重要です。

また市場でのニーズや競合他社の動き、自社の強みなどを把握することができ、マーケティングまたはブランディングに必要不可欠であり、自社の経営状況を調べる際や、異なる市場への新規参入・撤退の意思決定にも使うことができます。

外部環境である市場と競合、そして内部環境である自社を照らし合わせ、自社の強みと弱みを抽出します。

すなわち3C分析は、市場・顧客分析と競合分析を経た上で、市場での成功要因を探るための自社分析です。

分析方法

3C分析の過程として、それぞれのCで以下のことを明確にする必要があります。

Customer:市場や顧客のニーズの変化
Competitor:競合が「Customer」の変化にどのような対応しているのか
Company:上記、「Customer」「Competitor」内容から自社が成功できる要因を見つける

また、行う順番は、上記の上から分析を行います。市場と顧客を知るところから始めていき、次に競合、最後に自社を分析します。

それでは、まず最初に「Customer(顧客・市場)」の分析を行います。

Customer:市場・顧客の分析方法

自社の製品・サービスを、購買する意志や能力のある潜在顧客を把握する必要があります。

具体的には、市場規模(潜在顧客の数、地域構成など)や市場の成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者といった観点で分析します。

市場を知らずして、自社の強み・弱みを評価することは到底できないからです。

市場・顧客の分析をするには、以下の3つの手法を用いることでより効果的に分析を進めることができます。

市場マクロ分析
マクロ分析は、景気の変動や法律の改正、人口や流行の流動など社会的な変化を見つけ出すために行います。

具体的な変化を見つけるためには、PEST分析を行うとよいでしょう。

市場ミクロ分析
ミクロ分析では、業界の構造変化から自社ビジネスへの影響を検討します。

業界の競争環境の厳しさをしっかりと見つめ、利益を確保できる可能性を把握しておく必要があるからです。

顧客分析
顧客分析では、マクロ分析やミクロ分析で得た情報が、顧客の価値観やニーズにどれくらい影響を与えているのかを検討します。

商品やサービスに関わる一般的な顧客の動向を分析して、彼らの具体的な購買・使用行動を把握するようにしましょう。

ここでは、自社の製品・サービスがどの層をターゲットとしているかによって分析する対象が違います。

分析時は、現在のターゲット層でも、今後のターゲット層でもかまいません。

まずは想定される「Customer(顧客・市場)」について、ニーズと、現在の商品・サービスについての不満をまとめます。

具体的には、市場規模や顕在・潜在顧客数、市場の成長性や顧客の属性、購入理由と購入に至るまでのプロセスなどです。

効率的に分析を進めるには、顧客・市場の変化を明らかにする必要があります。

Competitor:競合の分析方法

続いて、競合分析を行います。

ここでは、競合が市場の変化にどのように対応しているのかを知ることが大きな目的となります。

同業他社だけではなく、将来の市場拡大あるいは変化を想定して、間接的競合他社と考えられる企業も対象として分析します。

ここでの目的は、競合他社が何をしているかに注目することより、市場のニーズや不満などに対して、どのように対処して効果を上げているかという「<結果>競合である企業のビジネス結果」」と「<根拠>その結果が出た理由」の2つの観点で分析を行うことが理想です。

競争状況や競争相手について把握する。

特に、競争相手からいかに市場を獲得するか(防御するか)という考えをもちます。

また、具体的な分析項目は、競合他社の数、参入障壁、競合他社がとっている経営戦略、経営資源や企業の構造上の強みと弱み(営業人員数、生産能力など)、競合のパフォーマンス(売上高、営業利益率、市場シェア、顧客数など)が挙げられます。

ここでは、既に実施した市場・顧客分析の結果として出た変化についての分析を考慮します。
市場・顧客の変化に対して、競合他社は何をリソースとしているのか、どのような手法で対応しているのか、市場・顧客ニーズへの対応ができている点は何か、課題は何かを分析して、競合他社ごとにまとめます。

市場の変化は、競合他社の変化と同じと考えられで、競合他社の動向を把握することで市場・顧客の変化も理解できます。

また、それらを比較することによって、自社の相対的な強みや弱みの抽出にも活用します。

市場の変化イコール競合他社の変化であり、競合他社の動向を把握することで市場・顧客の変化も理解できる、ということです。

競合である企業のビジネス結果

ビジネス結果では、特に以下の2つに着目します。

<結果>
競合の売り上げや利益率、広告費などの販売管理費用など。

非公表情報が多いため情報収集が難しい場合も考えられますが、可能な範囲で情報を得ることが必要です。

リソースについては、資本がどれくらい効率よく使用されているのかを検討します。

社員1人あたりの売上や利益、顧客1人あたりの売上や利益などを調査することで、リソースの利用の背景などを確認します。

<根拠>
競合がどのようにして結果を出しているのかについて検討します。

売り上げやリソースの効率的運用を、どのようにして高めているのかを明確にします。

製品・サービスの開発や販売手法、営業方法など、多方面な側面から検討すると、自社で取り入れるべき仕組みや差別化を図るポイントなどを見つけやすくなります。

Company:自社の分析方法

市場・顧客と競合他社の動向と変化を分析できたら、分析結果をまとめ、「Company(自社)」の分析を行い、自社がどのような手を打つことができるのかを検討します。

ここで主に行うことは「自社との比較」です。

「市場の変化と競合がその変化に対してどのような対応しているのか?」について、自社と比較するようにしましょう。

自社の経営資源や企業活動について、定性的・定量的に把握する。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源などを分析する。また、付加価値を生み出す機能や、コスト・ドライバーにも着目する。

市場・顧客の動向と変化に対して競合他社が追従、対応するために行っていることと、自社の動向と変化を定性的・定量的に把握して比較することが重要です。

定性的に把握できるものとしては、自社のもともとのブランドイメージや人的資源、定量的なものでは売上高や収益性などが該当します。

CompetitorとCustomer(外部)とCompany(内部)を分析しました。

しかし、この2つの分析結果を鑑みてて活用しなければ、3C分析を俯瞰的に捉えることができません。

これらを比較分析するには、経営戦略の分析フレームワークとして知られるSWOT分析の活用が有効です。

自社の強みと弱み、市場・顧客において自社のビジネスチャンスになりうる外部要因、自社にとって脅威となる外部要因を抽出します。

自社分析を行うことによって、

「競合他社の強みが自社にも採り入れて強みとできそうな部分」と

「市場・顧客のニーズでどこも応えられておらず自社が対応できそうな部分」

を抽出できます。「自社が対応できそうな部分」こそが、市場機会を捉えるための要因、成功要因となります。

SWOT分析については、次でご説明します。

市場・顧客のターゲットを分析し、競合他社が実行できていないがニーズがあり、自社で対応可能となるものを「差別化」、ブランディングしていくのです。

「3C分析」によってブランディングに成功した例として有名なのが、スターバックス社です。
知らない人は少ないとは思いますが、スターバックス社はアメリカのコーヒー専門ショップです。

競合他社(Competitor)が実現できていなかった、 “おいしい”、“おしゃれ”、“高級”への顧客・市場(Customer)のニーズを抽出しました。

そのニーズに対して自社(Company)で行う「差別化」によってブランディングを図り、現在では人気コーヒーチェーンの地位を確立しました。

スターバックの例からみても、「3C分析」は大いに役立つフレームワークです。「3C分析」の活用、「差別化」する自社の強みを見つけることが重要です

SWOT分析

概要

SWOT分析は、企業や事業の現状を把握するのに効果的なフレームワークです。
自社が置かれている現状を分析して、ビジネスの機会を多く獲得するためにSWOT分析を行います。
分析結果から成功要因を導き出し、事業戦略やマーケティング計画策定に落とし込みます。
自社の社内リソースと、自社をとりまく外部要因を照らし合わせて分析

今後挑戦できる市場領域や解決すべき事業課題が見えてくるのがSWOT分析の特徴です。

たとえば新たな事業を始めるうえで、その担当者が自社の強みを明らかにする際や、反対に弱みを補うための方策を考える際にSWOT分析を用いることが多いです。

SWOT分析は、内部環境と外部環境の横軸、目標達成に対してプラスかマイナスかの縦軸、それぞれで分けた4つの項目からなります。

上記4つの項目を埋めていくことで、自社の可能性や見逃していた強みに気づかせてくれ、企業の現状を理解し、戦略の立案の基盤を築くためのフレームワークです。

マーケティング戦略を検討する際には、まず自社や自社の製品・サービスの強みと弱みを知り、さらに市場の状況や競合の動きなどを知る必要があります。SWOT分析とは、こうした現状を知るために用いられる分析手法です。

SWOT分析のSWOTとは、自社内外の各要素を表し、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取ったものです。

<SWOTの各要素>

S:強み(Strength)/自社や自社製品・サービスに良い影響を与える内部環境の要素
W:弱み(Weakness)/自社や自社製品・サービスに悪い響を及ぼす内部環境の要素
O:機会(Opportunity)/自社や自社製品・サービスに良い影響を与える外部環境の要素
T:脅威(Threat)/自社や自社製品・サービスに悪い影響を及ぼす外部環境の要素

みずからが抱える「内部環境」と、市場の状況や競合他社の存在といった「外部環境」の要素をプラス面とマイナス面に分け、それぞれ分析を行います。

そして、弱みを改善して強みを活かし、外部環境にもフィットしたマーケティング戦略の立案へとつなげていきます。

分析方法

まず最初に、SWOT分析をする目的と目標を設定しておくことが重要です。

そうでないと、何のために分析を行うのか不明瞭になりますし、施策を抽出する場合も、「何の成果が出れば成功とするのか」が曖昧になってしまいます。

たとえば、

「新たなビジネスチャンスを探り、売上金額の向上の可能性を広げる」

を目的として、

具体的な数値設定を

「売上金額を前年同期比で150%に引き上げる」

などとすれば、最終的な戦略に落とし込みやすくなるでしょう。

SWOT分析の目的は成功要因を導き出すことです。そのために、クロスSWOTの手法が用いられます。
(クロスSWOT:ビジネスの機会を多く獲得するために内部分析と外部分析を掛け合わせて検討すること)

強み×機会を掛け合わせると、自社の強みを最大限に活かした市場機会を抽出することができます。

弱み×脅威を掛け合わせると、自社の最悪のシナリオの回避策を検討することができます。

今自社が求められているものは何であるか、目的を明確にした上でSWOT分析を行いましょう。

1. 外部環境の分析をする

SWOT分析の要素は、外部環境と内部環境に分けることができます。

外部環境とは、自社では変えることができない要因(法律、トレンド、経済状況、業界動向の変化や顧客ニーズの変化、政治経済状況、景気等)を指しています。

この分析によって、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を導き出すことができます。

2. 内部環境の分析をする

内部環境とは、外部環境要因に影響されず、自社内で調整可能である要因のことを指します。

例としては、製品・サービスや品質、価格、人材・組織、技術・ノウハウ、設備などが挙げられます。

この分析によって、強み(Strength)、弱み(Weakness)を導き出すことができます。

3. クロスSWOT分析をする

外部環境と内部環境の分析で情報を集めたら、クロスSWOTで戦略を具体的に立案していきます。

クロスSWOTから、下記の答えを抽出していくことで戦略の具体化が図れます。

強み×機会 強みを活かし、機会を勝ち取るための方策をどうするか
強み×脅威 強みを活かし、脅威を機会に変えるにはどうすれば良いか
弱み×機会 弱みを補強し、機会を掴むための方策をどうするか
弱み×脅威 弱みから、最悪のシナリオを回避するにはどうすれば良いか

SWOT分析はある事象に対して、見方によっては強みにも弱みにもなりうる場合があります。

また、脅威だと思われたものが、実は大きな機会になるというケースもあり、複数の可能性を考慮した上で、分析を進めることが大切です。

 

いかがでしたでしょうか

日本は中期経営計画疲れに陥っているなどと言われる時もあります。

しかしながら、管理職として求められたら、やらざるを得ません。

ぜひ環境分析の手法の参考としてください。

-管理職の役割とスキル