業務の標準化を進めようとして、何から手をつけていいか分からず悩んでいませんか?
ここで説明する通りに、業務の標準化を進めていけば、自分の職場における業務の標準化を円滑に行うことができます。
中間管理職である私も、この進め方で、業務を整理し、標準化を進めていけるようになりました。
業務標準化の目的と手法
業務は会社の組織が行う事業の中で発生する経済活動、仕事全般のことです。
全てのことを一気に標準化するということは時間、労力においても困難です。
そのため、まず標準化の目的を設定し、次に業務の全体像の把握、把握された業務の中から標準化を行うターゲットを設定します
目的の設定
目的の無い行動はすべからく、上手くいきません。
まずは標準化を行う目的を設定します。
標準化の目的は
業務プロセスの改善や品質向上をするために組織内で共通のルール「実施方法や規格・規定、評価方法」などの基準を設け、統一し、認識を共有することです
それらの統一された基準にて業務を行うことにより、業務の効率性や品質の均一化、属人化防止を図ること
が目的です。
標準化を行うための手法
業務を標準化するために以下の手順で進めていきます。
これは業種、事業部単位、部単位、課単位問わず、業務の特性やニーズに合わせ適切に整理できる手法となります。
<現状把握>
現状の業務分析を行い、業務の現状を把握し、どのような順番、内容であるかの分析をします。
<業務工程>
分析した現状の業務工程を整理するために、工程毎の作業概要の表を作成します。
<タスク>
各工程毎にどのようなタスクがあるか抽出して列挙します。
<成果物>
取り纏めした工程毎のインプット・アウトプット・エビデンスなどの作成する資料や制作物を
<ターゲットを絞る>
標準化のターゲットを工程か、タスクか、成果物かのもしくは全て必要かを決めます。
<優先順位づけ>
標準化が必要なターゲットの優先順位づけをし、優先順位が高いものから取りかかります。
<ルール・手順の確立>
絞り込んだターゲットの規定、ルールや手順、資料でしたらフォーマット等を取り決めます。
<周知徹底と運用・改善>
決められた規定、ルールや手順の周知徹底と運用を行います。
この繰り返し、標準化実施、運用を継続、そして改善する。
業務標準化の効果を測定し、常に改善。
当たり前のことと思われる方もいらっしゃるでしょうが、これができていないことが多いのです。
業務標準化の実行例
現状把握
あなたの職場で行っている業務は何ですか?
と聞かれた時に
「それはこの表の通りです」
「ここに書いてあるフロー通りです」
と答えられる状態でしょうか?
あなたの業務は、どのような要素で成り立っていますか?
と聞かれた時に
「組織の目標はこれです」
「組織の所属員はこれです」
「顧客のリストはこれです」
「取引先のリストはこれです」
「取り扱いしている製品・サービスはこれです」
「業務の始まりから流れはこれです」
とすらすらと出てきますでしょうか?
現状を可視化して把握することが大切です
ここで大事なポイントは、「業務のマスター」を作るということです。
顧客の名称や、取り扱いしている製品・サービスの名称は同じにして、それを組織内で流通させることです。
同じ製品・サービスで呼び方が微妙に違ったりしていたら、いけません。
それが標準化の一番の基本です。まずはこれを優先して行いましょう。
業務工程とタスクと成果物
まず業務を可視化するにはこの業務工程が一番です。
業務フローと呼ばれることもありますが、その工程の業務の概要、タスク、成果物、またその工程の成果物が次の工程のインプットになる。
それらを全て可視化できる、業務工程表を作成することが必要です
複数の部署に跨る場合は、自部署を中心に書くと整理しやすいです。
また全社的な視線で全ての業務を記載するには、会社規模にもよりますが、100名ほどの規模でしたら全て記載した方が整理しやすいかと思います。
それ以上になると、やはり部や課単位といった機能組織毎に行うことがベターでしょう。
ターゲットを絞り優先順位をつける
次のような視点でターゲットを絞り、優先順位をつけることをお勧めします。
工程そのものにムリ、無駄、ムラが無いか?
あるのであれば、工程そのものの見直しが必要である。
意味の無い二重作業や、目的のはっきりしない、効果がない作業は無いか?
可視化したはいいが、工程概要やタスクが良く分からないことは無いか?
成果物が全て抽出されており、その成果物の名称ははっきりと決められているか?
担当する人や部署が明確になっているか?また顧客や取引先が明確になっているか?
これらを意識して、標準化に取りかかる、優先順位をつけましょう。
ルール、手順の確立
ルール、手順を確立するには、前述した工程毎の表と、マニュアル、フォーマット類の整備です。
そして、マニュアル、フォーマット類にて確立した標準的な手順を職場のメンバーへ共有します
業務のマニュアルは、職場のメンバーが参照でき、かつそのマニュアルは最新、最終である必要があります。
そして、以後手順の見直しを継続していくたいせいが必要です。
全て新しく、一から行う必要はありません。すでに存在するマニュアルやフォーマット類があるならば、それらをベースに、ブラッシュアップしていけばいいのです。
マニュアルに必要な項目は基本的には以下となります。
業務特性によっては、必要に応じて、追加することも必要です。
業務の概要
目的や背景
インプット情報の種類
成果物(アウトプット、エビデンス)の種類、フォーマット
具体的な業務手順
トラブル時の処理方法
周知徹底と運用・改善
さて、工程表やマニュアルで業務や手順は標準化されました。
しかしながら、それらを職場のメンバーに共有して、実際にそれを使ってもらわないと全く意味がありません。
そのためには周知徹底と、運用、そして継続的な改善が必要です。
新規入場者への教育、新たな課題が出てきた時の改善、マニュアルの最新・最終の維持管理。
標準化のような活動は、形骸化がしやすいものです。
常に意識して取り組んんでいきましょう。
いかがでしたか
概念的なことをご説明してまいりましたが、
あなたの職場の業務改善が進めることに微力ながら、ご協力できたら幸いです